水柱・冨岡義勇の継子(つぐこ)は炭治郎?弟子がいない理由を考察

2023年5月29日

人気アニメ『鬼滅の刃』の主人公・竈門炭治郎。

彼を鬼殺隊に導いた者の名は水柱・「冨岡義勇」です。

そんな富岡義勇と炭治郎の関係について疑問を浮かべる人がいるかもしれませんね。

というのも2人の距離感は他のキャラとは異なっており、その感情の結び付きもどう受け取ったらいいのか悩ましい程ですから。

一見すると彼らの関係は、蟲柱・胡蝶しのぶと継子の栗花落カナヲにも受け取れます。

しかし、それとは全く違うと思います。

そこでこの記事では以下の2点を深堀りしようと思います。

  • 炭治郎と義勇の関係性
  • 義勇の継子(弟子)がいるかどうか

ぜひ最後まで御覧ください!

 

水柱・冨岡義勇の継子は炭治郎?

結論から言ってしまうと、竈門炭治郎は義勇の継子ではありません

炭治郎にとって義勇は兄弟子であり、鬼化した禰豆子をどうすればいいのか導いた恩人でもあります。

それは義勇にとって炭治郎は運命の存在だったからです。

特に後者の意味合いは強く、もしもここで炭治郎の元にたどり着いた者が義勇ではなくしのぶや煉獄など他の柱だったら?

あるいは他の鬼殺隊隊士たちが駆けつけていたら「鬼滅の刃」という物語は終わっていたでしょう。

彼らの出会いがどんなものだったのか?

まずはここで今一度紐解いてみましょう。

炭治郎を鬼殺隊に導いた

炭治郎と義勇の出会いは「鬼滅の刃」の始まり、第1話「残酷」の中盤でした。

いつものように、作った炭を売りに街へ出かけた炭治郎。

しかしその帰り、三郎というおじさんの家で一晩過ごしたところ(家に戻るには遅すぎたので声をかけられた)、禰豆子以外の家族は全員その夜に惨殺されていたのです。

突然の惨事に混乱状態になりかける炭治郎でしたが、唯一息があった禰豆子を救おうと彼女を背負って医者がいる街へと急ぎます。

ところが道中、禰豆子の様子がおかしくなり、ついには暴れ始めました。

実は禰豆子だけ息があったのは偶然か、はたまた故意だったのか?

その真実は炭治郎の家族を惨殺した犯人・鬼舞辻無惨の血が体内に入っていたからでした。

無惨の血を摂取した人間はその血の量が多くても少なくても鬼に変貌し、人を喰らい、日常を脅かす存在へとなってしまいます。

そうでなくても鬼に変じた人間は飢餓状態となっており、必ず近くにいる人間へ襲いかかるのです。

それは禰豆子も例外ではなく、暴れた拍子で一緒に崖から落ちた(雪がクッションになって2人も無傷でした)炭治郎を襲いました。

とっさに持っていた鉈で禰豆子の口と牙を防ぐ炭治郎ですが、禰豆子はいっこうに力をゆるめる様子はありません。

「頑張れ禰豆子!負けるな!」

何が起こったか分からないものの、自分が喰われたらまずいことになる炭治郎は禰豆子にそう呼びかけます。

すると鬼となった証である禰豆子の薄紅色の瞳から涙がこぼれて……とその時、遠くから誰かが颯爽と駆けつけてきました。

その誰かとは富岡義勇でして、彼は走る勢いのまま刃を禰豆子めがけて振るものの間一髪で炭治郎が庇ったことで禰豆子は助かります。

これが炭治郎と義勇の出会いでした。

当時はまだ義勇は水柱ではなかったそうですが、鬼殺の剣士である以上鬼化した禰豆子は見過ごせません。

しかし家族を失ったばかりの炭治郎は土下座して命乞いをしますが、義勇は「生殺与奪の権を他人に握らせるな!」と怒鳴ります。

一見理不尽にも思える叱責ではあるものの、この時義勇はこう思っていたのです。

「泣くな!絶望するな そんなのは今することじゃない」

「怒れ!許せないという強く純粋な怒りは手足を動かすための、揺るぎない原動力となる」

つまり炭治郎のために憎まれ役を買って出たのです。

この言動がきっかけとなって命懸けで禰豆子を助けるために行動した炭治郎や、飢餓状態になっていても兄を守ろうとする禰豆子を目にしてます。

そして「この2人は何かが違う」と思い、義勇は刀をおさめました。

その後、意識を取り戻した炭治郎に義勇は自分の師匠であり、育手の鱗滝左近寺が暮らす狭霧山へ赴くことを勧めて姿を消します。

一方、炭治郎はというと義勇の勧めに従うことにしました。

その理由は当然、禰豆子を人間に戻すためです。

当時の炭治郎は鬼のことも鬼殺隊のことも全く分かりませんでしたが、禰豆子に異常が起こっていることだけは理解していました。

その異常こと鬼化を何とかし、元の状態にして再び人間として暮らすべく、炭治郎はボンヤリとした禰豆子の手を引いて狭霧山に旅立ったのです。

炭治郎の師は鱗滝左近寺

義勇が紹介した鱗滝左近次は先述したように義勇の師匠です。

元・水柱ですが物語が開始した時点では引退しており、鬼殺隊への入隊を希望する者たちに呼吸法や剣技を教える「育手」と呼ばれる人物でもあります。

元・水柱とあって「水の呼吸」の使い手で、炭治郎にも「水の呼吸」を教えていました。

それとともに罠を仕掛けた山中を制限時間内に下る鍛練や刀の振るい方など、戦闘中の動き方など様々な訓練を施します。

少々度が超えるところがあったものの、それはひとえに鱗滝の優しさゆえでした。

というのも鱗滝は炭治郎と同じく感情を嗅ぎ分けられるほど嗅覚が鋭く、初対面で出会った時に炭治郎の真摯な性格から「戦いには向いていない」と難しい顔をします。

また鱗滝はこれまで義勇と炭治郎以外に13人の子供たちを引き取り育手として鍛えていましたが、13人全員が最終選別から生還しませんでした

これは最終選別の場である藤襲山に閉じ込められた手鬼がそのきっかけとなった鱗滝を恨み、鱗滝の弟子をことごとく殺めていたからです。

実は鱗滝は弟子たちが生還するようにと「厄除の面」という狐のお面を彫って渡していたのですが、

鱗滝のつけている天狗の面の彫りを覚えていた手鬼は「厄除の面」が鱗滝の作であることを看破。

そこから「狐のお面をつけている子供は鱗滝の弟子」と見極め、率先して狐のお面をつけた子供を狙ったわけです。

つまりお守りとして渡したお面が逆に子供たちの命を奪っていたのです。

しかしそれを知って鱗滝に伝える存在はいなかったため、炭治郎が手鬼を倒すまで負の連鎖は断ち切ることはできませんでした。

そうした経緯は鱗滝も堪えていたらしく、こう呟くシーンもありました。

「お前を最終選別に行かせるつもりは無かった」

「もう子供が死ぬのを見たく無かった」

さて、そうなるとここで問題となるのは義勇です。

鱗滝の弟子である義勇もまた「厄除の面」を贈られたでしょう。

そうなれば最終選別で狙われたはずですが、義勇は生き残っています……。

けれども炭治郎が最終試練に臨んだ時にもまだ手鬼がいました。

これは一体どういうことでしょうか?

いったい義勇はどうやって最終選別をクリアしたのでしょうか?

そこに義勇に継子がいない理由が隠されています。

 

 

弟子がいない理由を考察

柱直属の弟子、継子は育手による修行よりも厳しいと言われています。

大正コソコソ噂話では「炎柱・煉獄杏寿郎に継子がいないのは炎の呼吸が厳しすぎて、逃げ出してしまったから」だと言われたほどです。

しかし水柱こと義勇の過去に継子がいないのは、それとは別な理由だと思います。

その理由とはすなわち義勇が抱えている罪悪感と後悔からだと思われます。

柱の資格がない

義勇が継子を持たない理由、それはこう思っているからです。

「俺は水柱じゃない」

「俺は最終選別を突破してない」

 

最終選別を突破していない??

これはネタバレになるのですが「柱稽古編」で明らかになったことで、義勇がどうやって最終選別をクリアしたかが語られます。

義勇が鱗滝の世話になっていた当時、同じく鱗滝のもとで修業に明け暮れる同門の仲間がいました。

名前は錆兎、炭治郎が出会ったあの少年です。

同じく鱗滝のところで世話になっていること、また同い年であることがきっかけに義勇と錆兎は親友となります。

そうして最終選別に挑んだ2人でしたが、義勇は最初に出会った鬼の攻撃を受けて重傷となってしまいました。

そのまま意識を失ったところを錆兎に救われ、義勇は別な受験者に託し自身は藤襲山に放たれている鬼たちを討伐していきます。

時には受験者を助けついに手鬼と対面した錆兎でしたが、藤襲山にいた鬼をほとんど倒した代償は重く消耗した刀では手鬼の頸を斬れませんでした。

義勇が目覚めたときには全て終わっており、「何もしていないのに合格してしまった」という強い罪悪感と後悔に苛まれます。

それどころか柱となったことや他の柱たちと同じ土俵にいることを恥じ、実際にそれが原因で「柱合会議編」では産屋敷邸の庭の隅にいたのです。

あの立ち位置と言うか、蚊帳の外に自らいるように見えるのはちゃんと理由があったのです。

このように「自分は水柱にふさわしくない」と思っている義勇が「継子を持とう」と思うのは難しいでしょう。

 

まとめ

 

  • 炭治郎と義勇の関係は恩人と運命
  • 炭治郎は義勇の師匠・鱗滝の教えを受けたので、同門の弟弟子でもある
  • 義勇が継子を持たないのは最終選別で気絶し、ちゃんと7日間サバイバルをしたわけじゃないから

「もしも第1話で駆けつけた剣士が、義勇ではなかったら終わっていた」というのは禰豆子の存在の話です。

「無限城編」における無惨戦で鬼殺隊が勝利できたのは珠世の研究が進んだおかげで、そこには禰豆子の血が関わっています。

もしもあの時、禰豆子を手にかけていたら鬼殺隊の勝利はないはず。

もしかしたら現代にまで、無惨との戦いは及んでいたのかもしれません。

それを考えてみても、義勇の功績は大きいと言えます。

自分のことを卑下することが多い義勇ですが、血を吐くような努力をしてきたことも含め、その英断を下せたことは立派な鬼殺の剣士の証だと思いますね。

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